Ｑ　生理痛にはどんな対処法が良いのでしょうか？

「私の対処法は間違いじゃなかった！」

先生：

痛み止めを飲むのも良いのですが、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの配合された薬が結構効果があるんです。この成分で代表的なお薬というと実は「低用量ピル」なんです。「低用量ピル」というと避妊のお薬と思っておられると思いますが、生理痛を軽くする作用も持っています。実は「低用量ピル」と同じ成分で、生理痛の保険適応を取得した薬もあるんですよ。
大切なのは、まずはきちんと診断を受けること。診断の結果、痛みの原因となる病気がなく、生理自体が原因となっている機能性（原発性）月経困難症であれば、強い痛みがない限り、運動などの自分でできる対処法でもいいわけです。スポーツをすると血液の流れが良くなり、それからホルモンの状態が落ち着いて過剰な分泌を抑えられる。リラックスもできるので、痛みを感じにくくなります。

リナ：

痛くなると運動するという私の対処法は、間違いではなかったんですね。

Ｑ　痛み止めを飲むうえで、気をつけることはありますか？

先生：

痛くなる前に飲んでおくことが大切です。痛みの原因であるプロスタグランジンという物質がつくられるのを防ぐのが痛み止めの作用なので、痛みの原因物質がつくられてから飲んでも、なかなか効きません。

Ｑ　このお薬が痛みを抑えるのはなぜですか？

「太っちゃうと聞いたけど……」

先生：

このお薬には子宮内膜を薄くする作用があるので、飲むと痛みが少ない無排卵性月経の状態になるわけです。

アヤ：

さきほど低用量ピルとおっしゃいましたが、ピルを飲むと太ると聞いたことがありますが……。

先生：

それは都市伝説ですね。配合されている黄体ホルモンが、腸を刺激して食欲が増すことはありますが、もともとこのお薬の副作用は非常に少ないんです。まず太るということはありませんよ。痛み止めと一緒に飲んでも問題ありません。一緒には飲めない薬もありますが、それはお薬を受け取るときに医師や薬剤師から説明があるので大丈夫です。
ただし、たばこを吸う人は血液の中にかたまりができやすくなるので、お勧めはしません。

Ｑ　そのほかに特長はありますか？

先生：

このお薬を飲んでいると、卵巣と子宮を休ませている期間が長くなり、卵巣がんや子宮体がんになりにくくなります。ただし、子宮頸がんはＨＰＶというウイルスが原因なので、これを予防するためにはコンドームを正しく使ったり、あとは子宮頸がんの予防ワクチンを接種することですね。

Ｑ　診てもらう先生を選ぶ基準は……

先生：

基準のひとつはやはり、ご自分との相性が良いかどうかですね。一度クリニックに行って話してみて「この先生だったら信頼できるな」と思えるところに通えばいいでしょう。結局は、人と人との付き合いですから。閉経を迎えるまでの長い期間にわたって付き合っていくわけですから、自分と本当に合うかかりつけの先生を見つけておくのは大事なことです。

Ｑ　話に行くきっかけがない場合は？

先生：

婦人科医を探すきっかけをつくるという目的も兼ねて、がん検診を受けてみるといいでしょう。まずは子宮頸がん検診を受けに行って話をしてみて、信頼できそうな先生だと感じたら、今度はお腹が痛くなったときや出血があったとき、場合によっては妊娠したときなんかにも、行けるようにしておくといいですね。友達に相談するのもいいですが、やはり婦人科の先生は女性の専門家ですから。みなさん、二十歳を過ぎたら1年に1回はがん検診にぜひ行ってくださいね。

全員：

はい、行きます！

「はい、行きます！」