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- 黄体形成ホルモン(黄体化ホルモン)
- 黄体形成ホルモンは、性腺刺激ホルモンのひとつで、脳の中心部分にある下垂体と呼ばれる器官から分泌されます。
同じく下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH:follicle stimulating hormone)と呼ばれるホルモンとともに働いて卵胞を発育させ、成熟した卵胞(卵巣内にある卵子を包む袋)から卵子を押し出す「排卵」を促進します。
正常な月経[生理]周期の婦人では、血液中の黄体形成ホルモンの濃度は、月経から排卵までの間で0.5〜20mIU/ml、排卵の時期のピークでは、10〜80 mIU/mlの範囲にあります。
(日本産科婦人科学会編「産科婦人科用語集・用語解説集」[金原出版株式会社]を改変) - 黄体ホルモン
- 黄体ホルモンは、女性ホルモンのひとつです。
黄体とは、排卵後の卵胞内に残った脂質を多く含む黄色っぽい組織が増殖して形成されるもので、この黄体から黄体ホルモンは分泌されます。
このホルモンは、子宮の内側の子宮内膜を分泌期像と呼ばれる受精卵が着床しやすいフカフカの状態にしたり、乳腺を発育させたり、排卵を抑制したり、などの働きがあります。また、体温を上昇させる働きもあり、排卵後に基礎体温が上昇するのは、このホルモンの働きによるものです。
プロゲストーゲンやプロゲステロン、プロゲスチン、ゲスターゲンとも呼ばれますが、全て黄体ホルモンのことを指します。
(日本産科婦人科学会編「産科婦人科用語集・用語解説集」[金原出版株式会社]を改変)
- 下垂体
- 下垂体は脳下垂体とも呼ばれ、脳の中心にある視床下部の下に位置する器官です。主にホルモン分泌量や分泌時期を調整しています。
この下垂体からは、成長ホルモンや甲状腺刺激ホルモンをはじめ、種々のホルモンが分泌されます。
例えば、視床下部から分泌される性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH:Gonadotropin-releasing hormone)というホルモンの命令を受けると、下垂体からは卵胞刺激ホルモン(FSH:follicle stimulating hormone)や黄体形成ホルモン(LH:luteinizing hormone)が分泌され、卵子の成熟と排卵が促されます。 - 基礎体温
- 毎朝、目覚めた時に、安静な状態で計測した体温をいいます。
月経から排卵までの前半は基礎体温が低い状態(低温相)にあり、そのあと排卵があると、基礎体温は高い状態(高温相)に移ります。高温相に移るのは、排卵後に分泌される女性ホルモンのひとつである黄体ホルモンの影響によるものです。
排卵がなければ黄体ホルモンは分泌されず、基礎体温は低い状態のままとなります。
排卵は、低温相の最終日から高温第1日目の間に多く起こります。
基礎体温を測ることによって、排卵の有無がわかるため、避妊や不妊症の検査など、いろいろな目的に用いられます。
(日本産科婦人科学会編「産科婦人科用語集・用語解説集」[金原出版株式会社]を改変) - クラミジア
- クラミジアは、ウイルスと細菌の中間の大きさの細胞内寄生体です。ヒトに感染するクラミジアには3種類ありますが、性器に感染するのはクラミジア・トラコマチス( chlamydia-trachomatis)です。クラミジア感染症の潜伏期間は1〜2週間で、感染しても症状が出ないか、出てもごく軽いことが多く、はっきりとした自覚症状がないまま進行することが多いのが特徴です。現在、性感染症の中で最も多いのが、このクラミジアによる性感染症です。
子宮内膜や卵管粘膜に感染すると骨盤内炎症性疾患(PID)を発症し、卵管を原因とする不妊症の原因になります。また、妊婦が感染すると新生児の肺炎や結膜炎の原因となり、さらに流産や早産の原因になるという報告もあります。
治療には抗菌薬を用いますが、クラミジアに感染しているパートナー同士で再発・再感染をくりかえす(これをピンポン感染といいます)ことが多いので、治療をする際にはパートナーも一緒に治療することが大切です。
(日本産科婦人科学会編「産科婦人科用語集・用語解説集」[金原出版株式会社]を改変) - 月経前緊張症(月経前症候群):PMS
- 月経前緊張症は、月経前症候群とも呼ばれ、月経(生理)前の3〜10日の黄体期と呼ばれる期間(基礎体温でいう高温期)に、さまざまな精神的・身体的な症状があらわれ、生理がおきると徐々にその症状がおさまったり、無くなったりするものです。「いらいらする」、「のぼせる」、「下腹部の張った感じ」、「下腹部の痛み」、「腰痛」、「頭が重い感じ」、「怒りっぽい」、「頭痛」、「乳房の痛み」、「落ち着かない」、「憂うつになる」など、その症状は人によってさまざまです。以前は40歳から更年期にかけての人に多くみられると言われておりましたが、女性のライフスタイルの変化に伴い、このような症状を訴える年齢層は広がってきていると言われております。
月経前緊張症と同じく月経に関係する病気である月経困難症に比べると、精神的な症状や乳房に現れる症状が多いのも特徴と言えるでしょう。
原因は今のところよくわかってはいませんが、卵胞ホルモンと黄体ホルモンのバランスがくずれて起きるという説や精神的な葛藤によって起きるとする説、社会的不安説などが考えられています。
(日本産科婦人科学会編「産科婦人科用語集・用語解説集」[金原出版株式会社]を改変) - 検診
- がんなど、何か特定の病気の発見を目的に行われる検査です。一般に、婦人科検診では、子宮がんや乳がん、卵巣がんなど、女性特有の病気を対象にした検査が実施されます。
日本人の婦人科がん検診率は先進国の中では最低レベルです。がんなどの早期発見のためにも、年に一度は婦人科検診を受けましょう。 - 更年期
- 女性のライフサイクルのうち、生殖期から老年期へと移行する期間のことです。具体的には閉経の前後5年を指します。ちなみに、わが国の平均閉経年齢は50.5歳となっています。
この時期、加齢(歳をとること)により、卵巣では排卵などの機能が消失しはじめ、それにともなって月経が不順になり、やがて完全に閉経します。その後は生殖内分泌の機能が低下します。
更年期に現れる様々な症状のうち、他の原因がはっきりしているもの以外で、日常生活にまで影響を及ぼすものを更年期障害といいます。体の変化だけでなく、精神・心理的な要因やその人の置かれた環境要因などが複合的に影響していると考えられています。
(日本産科婦人科学会編「産科婦人科用語集・用語解説集」[金原出版株式会社]を改変) - 骨盤内うっ血症候群
- 骨盤内で、静脈という血管がうっ血(血液が停滞して充満する)して、それにより下腹部や骨盤部に痛みが起こる病気です。月経が始まる1週間ほど前に起こりやすいといわれています。下腹部に痛みがあるのに、痛みの原因となるような病気や炎症などの異常が認められない時に疑われます。
- CA125
- CA125は卵巣がん、子宮がんに特異な反応を示す腫瘍マーカーの一種です。腫瘍マーカーとは腫瘍細胞自身が作り出すか、腫瘍がからだの中にあることによって作られる物質で、この物質を測ることにより癌の診断の補助や、病期の予測、経過観察、治療効果の判定などに利用できるものをいいます。
CA125は卵巣がんに罹っている患者さんの血液中に、高い頻度でかつ高い濃度に存在していることから卵巣がんの腫瘍マーカーとして注目され、卵巣がんの診断や治療の効果の判定、病気の状態の把握などに利用されています。
月経困難症を伴う子宮内膜症の患者さんの約9割が良性の疾患ですが、このCA125の値が高くなることが多いため、子宮内膜症の診断や治療効果の判定の際に補助的な手段として用いられています。
ただし、CA125の値は子宮内膜症の患者さんがみな高い値を示すわけではありません。したがって、CA125が正常値だからといって子宮内膜症を否定することはできませんし、逆にCA125が高値だからといって子宮内膜症と確定診断されるわけでもありません。あくまでも診断の際の目安として用いられる検査値です。なお、子宮内膜症の他に、CA125が高い値を示す病気として子宮筋腫や子宮線筋症なども知られています。 - 子宮頚がん
- 子宮の入り口側である子宮頚部に発生するがんです。女性生殖器に発生するがんの約半分を占めます。最も発症が多いのは40歳代後半です。
原因として、性行為によってうつるHPV(ヒトパピローマウイルス)への感染が指摘されています。近年、HPVの感染者が増加に伴って、若年層にも子宮頚がんが増えています。子宮頚がんの多くは、扁平上皮がんと呼ばれる粘膜の表面にできるがんです。
(日本産科婦人科学会編「産科婦人科用語集・用語解説集」[金原出版株式会社]を改変) - 子宮体がん
- 子宮体部に発生するがんです。子宮内膜がんとも呼ばれます。すべての子宮がんの約30%を占めますが、近年、患者数が増加しています。50歳代に最も多くみられ、約75%が閉経後に発症しています。発症の背景に、女性ホルモンのエストロゲンの影響や不妊が指摘されています。
(日本産科婦人科学会編「産科婦人科用語集・用語解説集」[金原出版株式会社]を改変) - 視床下部
- 脳の中心部分の間脳と呼ばれる場所にある、小指の先ほどの小さな器官です。体温の調節や下垂体ホルモンの調節などの中枢であるとともに、ものを食べたり飲んだりする行動や、性行動、睡眠などの本能行動、怒りや不安などの情動行動の中枢でもあります。
- 初潮
- 初めての月経(生理)を初潮(医学用語では初経)といいます。
この時期には卵巣や子宮などの生殖器の発育やその機能はまだ完成していないため、成熟期にみられるような排卵性月経(排卵を伴う月経)はほとんどみられません。初経年齢は人種や社会環境、生活環境、栄養状態によりかなり異なりますが、近年世界的に若年化の傾向にあります。わが国は平均満12歳となっています。 - 性腺刺激ホルモン放出ホルモン
- 脳の中心部分にある視床下部と呼ばれる器官から分泌されるホルモンです。このホルモンは、視床下部のすぐ下にある下垂体という器官に、黄体形成ホルモン(LH:luteinizing hormone)と卵胞刺激ホルモン(FSH:follicle stimulating hormone)を分泌するよう働きかけます。
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
- 両側の卵巣が腫れて分厚くなり、卵巣内に卵胞がたくさん存在するようになった状態です。
たくさん卵胞はあっても一つひとつは成熟しにくく、結果排卵が起こらないことが多くなります。それに無月経などの月経の異常や不妊、多毛や肥満などを伴うものを多嚢胞性卵巣症候群と言います。黄体形成ホルモン/卵胞刺激ホルモンの比率が上がるのが特徴です。卵胞ホルモンや男性ホルモンの分泌増加もみられます。
視床下部のGnRH分泌異常によると考えられますが、その一次的な病因ははっきりせず、多くの説が提唱されています。
(日本産科婦人科学会編「産科婦人科用語集・用語解説集」[金原出版株式会社]を改変) - チョコレートのう胞
- 本来、子宮の内側にあるはずの子宮内膜組織が何らかの理由で卵巣内に存在し、子宮内で起こるのと同様にホルモンの影響を受けて子宮内膜組織の増殖と、それが剥がれ落ちる現象を繰り返すことになります。子宮内と違い、剥がれ落ちたものは出ていく場がないため卵巣の中に貯まることになります。
量が少なければ、身体に吸収されていきますが、量が多いと次第に卵巣の中に貯まって、のう胞と呼ばれるものを作り出します。この、のう胞の中にあるものがチョコレート色の液状物なので、チョコレートのう胞と呼ばれます。
チョコレートのう胞が形成されるのは、子宮内膜症が比較的進行した時期であることが多く、骨盤内にある周辺の臓器(子宮や卵管、大腸など)と癒(ゆ)着してしまうことが多いとされています。
(日本産科婦人科学会編「産科婦人科用語集・用語解説集」[金原出版株式会社]を改変) - 低用量ピル
- 卵胞ホルモンと黄体ホルモンを配合したホルモン剤です。この2つのホルモンの作用で、排卵が起こらないようにしたり、精子が子宮内に進入するのを防いだり、受精卵が子宮内膜に着床しにくい状態を作り出したりして、妊娠を防ぎます。つまり、妊娠中に新たな排卵が起こらないメカニズムを利用しているのです。ほぼ100%に近い避妊効果があるほか、子宮内膜症に伴う月経困難症の改善にも効果があるといわれています(治療も何もしなくても子宮内膜症がおさまるのは、実は妊娠中と閉経後なのです)。
卵胞ホルモンの含有量により、低用量、中用量、高用量の3種類がありますが、現在では副作用が少なく安全性の高い低用量ピルが主流になっています。低用量ピルには、含まれるホルモン量が服用期間中一定の一相性のものと、段階的に量が変わる三相性のものがあります。
また、含まれる黄体ホルモンの種類により第一世代〜第三世代に分類されます。第一世代はノルエチルステロン、第二世代はレボノルゲストレル、第三世代はデソゲストレルという黄体ホルモンが含まれています。同じ量であれば世代を追うごとに黄体ホルモン活性は強くなっておりますが、アメリカではその効果と安全が確保されていることから、いまだに第一世代の薬がもっとも処方されています。なお低用量ピルの服用にあたっては、医師による診察と処方箋が必要です。
子宮内膜症に伴う月経困難症に適応を有する保険がきくお薬が2008年7月から発売になりました。なお、このお薬は子宮内膜症に伴う月経困難症の治療薬であり、避妊の適応はありません。
- BMI(肥満度)
- 体重と身長の関係から算出した、ヒトの肥満度を表す指数で、身長をA(m)、体重をB(kg)としたとき、BMIはB÷A2で表されます。
例えば、身長160cmで体重が50kgの場合、160cm=1.6mですから、BMIは50kg÷(1.6m×1.6m)ですので大体19.5となります。
日本肥満学会によると、BMIが22の場合が標準体重で、BMIが25以上の場合を肥満、18.5未満である場合を低体重としています。
BMIの計算式は世界共通ですが、肥満の判定基準については国によって異なり、例えばアメリカでは25以上を「標準以上」、30以上を「肥満」としています。 - 不妊症
- 生殖行為が可能な年齢の男女が妊娠を希望して、ある一定期間、避妊をせずに性生活を行っているにもかかわらず、妊娠が成立しない場合を不妊といいます。その一定期間については1年から3年までの諸説がありますが、2年というのが一般的です。
一度も妊娠しない「原発不妊」と、過去に妊娠、分娩した経験のある婦人がその後妊娠しない状態となった「続発不妊」とに分類されます。また、不妊の原因によって「男性不妊」と「女性不妊」と分類する場合もあります。
(日本産科婦人科学会編「産科婦人科用語集・用語解説集」[金原出版株式会社]を改変) - プロスタグランジン
- はじめは前立腺(プロスタータ)に由来し、精液中に存在して子宮筋を収縮あるいは弛緩させる物質として知られたのでプロスタグランジンと命名されました。その後、ヒトのあらゆる組織、体液中に微量だが存在する十数種類がわかるようになりました。
特に、子宮収縮に関与するものにプロスタグランジンE2α、プロスタグランジンE2、プロスタグランジンE1があります。子宮を収縮させる働きのあるプロスタグランジンが過剰に分泌されると強い子宮の収縮が起こり、月経痛(生理痛)を引き起こします。
これらの作用を利用して、プロスタグランジンE2αは点滴の注射で分娩促進や誘発の薬として、プロスタグランジンE2は子宮頸管の熟化や分娩促進・誘発の飲み薬として、プロスタグランジンE1は膣への坐薬による人工妊娠中絶の薬として用いられています。
(日本産科婦人科学会編「産科婦人科用語集・用語解説集」[金原出版株式会社]を改変)
- 無排卵性月経
- 月経は来るのに排卵はしていないこと。月経周期や月経持続期間、月経の量も安定しないことが多いですが、中には正常月経とほとんど変わらないものもあります。中枢性あるいは性腺障害により、卵巣内の卵胞がある段階にまで成熟し卵胞ホルモンを分泌するものの、排卵がうまくいかず、やがて成熟した卵胞は小さくなり卵胞ホルモンのレベルが急速に低下して出血を起こします。初経から1〜2年は無排卵性月経のことが多いと言われています。
(日本産科婦人科学会編「産科婦人科用語集・用語解説集」[金原出版株式会社]を改変)
- 卵巣がん
- 卵巣に発生するがんです。卵巣に発生する腫瘍の約20%が卵巣がんです。小さな子どもから高齢者まで、幅広い年代の人に発症します。
発生の過程から、原発性卵巣がん、良性のものが悪性化した続発性卵巣がん、体のほかの臓器から転移して発生した転移性卵巣がんの3つに分けられます。) - 卵胞刺激ホルモン
- 卵胞刺激ホルモンは性腺刺激ホルモンのひとつで、脳にある下垂体前葉と呼ばれる器官から分泌されます。
卵胞刺激ホルモンは、同じく下垂体前葉から分泌される黄体形成ホルモン(LH:luteinizing hormone)と呼ばれるホルモンとともに働いて、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌を促し、卵胞を発育させて、成熟した卵胞(卵巣内にある卵子を包む袋)から卵子を押し出す「排卵」を促進します。
正常な月経[生理]周期の婦人では、血液中の卵胞刺激ホルモンの濃度は、月経から排卵までの間で2〜20mIU/ml、排卵の時期のピークでは3〜25 mIU/mlの範囲にあります。
(日本産科婦人科学会編「産科婦人科用語集・用語解説集」[金原出版株式会社]を改変) - 卵胞ホルモン
- 主に卵巣から分泌される女性ホルモンのひとつです。「エストロン」、「エストラジオール」、「エストリオール」があり、総称して「エストロゲン」と呼ばれています。
子宮内膜に働いて子宮内膜を増殖して厚くしたり、黄体ホルモン(プロゲステロン)とともに分泌期像と呼ばれる「子宮内膜を受精卵が着床しやすいフカフカの状態」にしたりする働きがあります。
また、子宮の頸管腺からの分泌や膣粘膜の増殖を促進したり、乳腺管を増殖させるはたらきもあります。さらに、骨に作用して骨が壊れるのを防ぐ働きももっています。
(日本産科婦人科学会編「産科婦人科用語集・用語解説集」[金原出版株式会社]を改変) - 淋菌
- 淋病を引き起こす病原菌です。
淋病は、この菌の感染による性病をいい、病型は複雑です。女性の場合、淋病に感染しても自覚症状は比較的軽いため、男性に比べて病気だと気づくことが少なく、放置されると性交渉により男性に対し感染の機会を増すことがあります。
性交渉による感染後、1〜3日で急性尿道炎や頸管炎を起こし、さらに、感染場所によっては、バルトリン(Bartholin)腺炎、子宮内膜炎、子宮内膜筋層炎、卵管炎、付属器炎、卵巣炎、骨盤腹膜炎となります。また、小さな女の子が感染すると、肛門を経て直腸粘膜が侵され、直腸淋となることがあります。
完全な治療が行われないと慢性的な淋病となり、これらは症状が極めて軽いため、感染の機会を多く生み出す原因となります。
場合によっては、卵管性不妊、卵管妊娠の原因となることがありますので、完全に治療することが大切です。
(日本産科婦人科学会編「産科婦人科用語集・用語解説集」[金原出版株式会社]を改変)