HOME > 女性のライフサイクルと生理痛
監修:家坂清子先生
女性の生殖器(子宮、卵巣など)は、思春期以降、変化し続けます。
思春期に入ると未熟だった子宮がホルモンの働きによって成熟期に向けた準備をはじめ、子宮や卵巣が大きくなり、排卵がはじまります。さらに成熟期に入ると、ホルモンの分泌が盛んになり、排卵、妊娠という生命を生み出すための機能が安定し、出産が可能な状態になります。成熟期を過ぎて更年期に入ると、排卵が起こらなくなり、子宮は萎縮しはじめて小さくなり、やがて老年期を迎えます。
このように女性の体は一生を通じて変化し続けるのです。
生理痛に悩む女性が増加している原因と考えられているのが、婦人科系の病気にかかる人の割合が増えているということ。
その理由のひとつとして、社会進出が進むことによる晩婚化、出産率の低下が挙げられているのをご存じでしょうか?
総務省統計局「労働力調査」(2007年度)によると、出産を経験する成熟期の女性人口に占める労働力人口の割合は60%以上となっており、女性の晩婚化も進んでいます。
初潮を迎えてから、閉経に至るまでの期間、子宮や卵巣は休むことなく働き続けます。
唯一、休息を取ることができるのが妊娠、出産や授乳の時期だけ。晩婚化が進み、出産回数が減ると、それだけ体にかかる負担も大きくなるといわれています。子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科系の病気は生理痛がひとつの大きなサインとなります。働く女性に限らず、婦人科系の病気のリスクは女性なら誰しもが抱えていること。そのサインである痛みを放置せず、一度専門医を受診されることをおすすめします。