HOME > ドクターインタビュー > 津田沼IVFクリニック 吉川守先生

ドクターへの質問

Q.どの程度の生理痛であれば治療を受けた方が良いのでしょうか?

A. 生理(月経)期間中にいつもと同じ日常生活が送れず、学校や仕事、趣味や家事を休むなどの支障が出る程度、あるいは鎮痛剤を服用しても我慢できない、寝込んでしまう程度の生理痛であれば、治療を受けて下さい。また、生理痛(月経痛)の痛みが強くなったり、鎮痛剤が効かなくなった、服用日数が増えた場合も同様です。その原因である子宮内膜症子宮筋腫の進行も考えられるため、ぜひ我々婦人科医に相談してください。


Q.子宮内膜症にかかると妊娠しにくくなるのですか?

A. 子宮内膜症と不妊症の関連については、卵管采における卵のPickUp障害、卵管采部癒着による卵管閉塞、骨盤内の重度の癒着、卵胞内環境に対する影響、精子や卵・受精卵(胚)を障害する物質の産生などが考えられていますが、いまだ不明な点も多いです。
子宮内膜症の患者さんのうち不妊を訴えられる方はおよそ半数に存在しますし、また不妊症患者さんの腹腔鏡検査において25〜40%に子宮内膜症を認めるとされています。
子宮内膜症に対する低用量ピルなどの薬物療法とともに腹腔鏡下手術による腹腔内環境の改善(腹腔内洗浄、癒着剥離など)が妊娠率を向上することが指摘されています。これらのことより、「子宮内膜症にかかると妊娠しにくくなる」といえるのではないでしょうか。


Q. 低用量ピルを飲み始めた後で妊娠を希望する場合はどれくらいの期間をあければよいでしょうか?また妊娠への影響(不妊、赤ちゃんへの影響)はありませんか?

A. 低用量ピルを飲み始めた後で妊娠を希望する場合には、低用量ピルの服用を中止したすぐ後の排卵時期から妊娠が可能です。
低用量ピルで不妊症の割合が増えることはありませんし、むしろ不妊症のリスクは低下します。ピルの服用を中止した後、性周期が回復すると、妊娠しやすい状態になります。
ピルを妊娠前に服用していた女性において異常出産の危険性が増大することはないとされています。流産については、同じかあるいは少ないとされています。死産についてはむしろ少ないとされています。
また、ピルには催奇形性作用のないこともほぼ立証されています。

吉川先生からのメッセージ

生理痛のために、日常生活の楽しみを犠牲にしてほしくありません。人はどこかが痛いと、心から楽しむことができないからです。
 多くの生理痛は治療できるということを、女性だけでなくパートナーとなる男性にも知って頂きたいです。生理痛で人生の楽しみを減らしているのであれば、すぐにでも治療を受けて、毎日楽しく過ごしてほしいと思っています。

この画面の上へ