HOME > ドクターインタビュー > やすひウィメンズヘルスクリニック 安日泰子先生
カステラ、ちゃんぽん、皿うどんといえば──。そう、長崎県です。
その昔、オランダ、中国、ポルトガルといった外国との交易で栄え、西洋、東洋の文化が流入した歴史から、今なお異国情緒が漂う長崎は、国宝にも指定されている大浦天主堂やグラバー園をはじめ数々の見所がある人気の観光地です。路面電車が走る長崎市内の中心地には、横浜、神戸に次ぐ日本の3大中華街の1つも。そんな長崎の中華街から歩いて数分のところにあるのが、今回お伺いした「やすひウィメンズヘルスクリニック」です。女性にとってかかりやすいクリニックを目指して、日々診療に当たられている院長の安日泰子先生に話をお聞きしました。
安日 泰子
(やすひ やすこ)先生
東京女子医科大学医学部卒業。「女性にとってかかりやすい婦人科をつくりたい」との思いから、2003年に長崎市内にやすひウイメンズヘルスクリニックを開院。様々な工夫を通じて、かかりやすいクリニックの実現に取り組んでおられます。成人女性だけでなく、思春期以降の若い女性たちへの性教育・診療にも力を入れておられ、月に2回、10代を対象にクリニックを開放する「Y‐Yぴあルーム」や長崎大学での教育活動、市内の小中高等学校での性教育講演など、院内外で様々な取り組みを行っておられます。
「かかりやすさ」をコンセプトとした女性外来であるやすひウィメンズヘルスクリニックには、長崎市内やその近隣はもちろん、離島を多く抱える長崎県ですから、そんな離島からも患者さんが来院されるそうです。また来院される患者さんの年齢層も幅広く、20代を中心に10代から80代まで。「生理痛(月経痛)を理由に来院する患者さんは結構いらっしゃいますよ」と安日先生はおっしゃいます。
「一番多いのは働いておられるOL世代でしょうか。勤め帰りに来院される方が多いですね。会社を休まなくてはいけないほど生理痛がひどい、生理(月経)の量が多い、また、月経前緊張症(PMS)の方もいらっしゃいます」と安日先生。
そうした方には生理痛の原因となっている病気がないかどうかを確かめるために、患者さんの状況に応じて内診を行い、子宮内膜症が疑われる方には低用量ピルの服用を勧めているそうです。
これまで先生が実際に診てこられた副作用のデータなどを具体的に伝えながら、「いつでも止められるので、まず3ヵ月ほど試してみませんか?」と勧められるそうで、実際に低用量ピルを服用してみてその効果を実感される方も多いそうです。「最近では、患者さんもよく勉強しておられ、市販の痛み止めではコントロールできなかったので、『低用量ピルを飲みたいです』と言って来院される方も増えてきていますね」とのことでした。実際3クール(約3ヵ月)服用された患者さんの9割の方がさらに低用量ピルによる治療の継続を希望されるそうです。
また、同院は、安日先生が中学校や高校での性教育にも力を入れてこられたことから、10代の若い患者さんが多いのも一つの特徴です。
「初経前後の患者さんというのは、小児科にかかるべきか婦人科にかかるべきか悩むところだと思います。丁度すき間になっている年頃ですね。生理が始まっているのであれば婦人科に相談してほしいですね。それと、この世代でも性交経験があってそれに伴うトラブルを訴えるグループと性交経験はなく月経関連の悩みを訴える2つのグループに大きく分けられますが、当院では後者のグループの半分くらいの方は生理痛を訴えられます」(安日先生)。
若い患者さんの場合は機能性月経困難症のことが多いので、安日先生はまずは早めの市販の痛み止めの服用やお腹を温めるなどの対処法も勧めるそうです。
「意外と、お母さんや学校の保健室の先生が痛み止めの服用をよくないと思っていて、お子さんにガマンさせていることも少なくないんです。ですから、痛み止めは当院の患者さんの9割によく効くんですよと本人やお母さんに安心感を伝えています」(安日先生)。
痛み止めで効果が不十分、たとえばだんだん生理の量が増えていったり、痛み止めが通常の量では効果がないというような場合には、中高生以上であれば低用量ピルの服用も含めて治療を検討していくそうです。
「副作用などを心配される方もいらっしゃいますが、痛み止めにしても、低用量ピルにしても正しく賢く使えば怖くないし、生理痛をガマンしたり、悩み続けたりしなくていいということを患者さんには伝えています。診察では安心感を持ってもらい、患者さんが自分の体と向き合ってもらえるような配慮を心がけています」(安日先生)。
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