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宮﨑クリニック(静岡県富士市) 宮﨑千恵子先生

雄大な富士山を市内のいたるところから眺めることができる静岡県富士市は、豊かな緑と湧水の恵みによって古くから製紙業で栄えた紙の町で、浜松市、静岡市に次ぐ県第三の都市です。また市西部を流れる富士川を境に、市の東側は東京電力の50Hz、市の西側は中部電力の60Hzと、市内で電力の周波数が異なるという全国でも珍しい都市でもあります。高速道路、新幹線と交通網が発達し、東西からのアクセスのよさにも恵まれたそんな同市に2000年に開業されましたのが、今回お伺いした宮﨑クリニックさん。消化器内科のご主人と2人、地域に根ざした診療で女性の健康を守り続けておられる副院長の宮﨑千恵子先生にお話を伺いました。

最終的に選択をするのは患者さん。でも、知っておいてほしい知識があります


宮﨑 千恵子
(みやざき ちえこ)先生
新潟大学医学部卒業。同大学産科婦人科学教室、関連病院勤務を経て、2000年に消化器内科医の夫とともに富士市内に宮﨑クリニックを開業。開業以来、婦人科検診、不妊治療、思春期医療に力を入れて取り組んでいます。乳がん検診は自らマンモグラフィを撮影、読影、乳房超音波検査の認定資格を取得し、子宮がん、乳がんの検診を同じ施設で受けたいという患者のニーズに応えています。
また小中高等学校での思春期講座のほか、コミュニティFMで婦人科疾患の解説や悩みに応えるラジオ番組「On air Lady’s clinic」(Radio f【FM84.4】毎週木曜日午後1時45分〜)を持つなど、啓発活動にも積極的に取り組んでいます。

「生理痛(月経痛)を訴えて受診される患者さんはかなり多いと思います。お母さんに連れられた小学生から閉経前の生理(月経)トラブルまで、様々な年代の方がいらっしゃいます」と宮﨑先生。
生理痛で来院された場合に宮﨑先生はまず、子宮筋腫子宮内膜症といった原因となる病気があるかどうかをきちんと検査するそうです。

「検査というと、『婦人科に行ったら内診台』というイメージがあり、それが敷居を高くしていると思います。ですが当院では、性交経験のない患者さんは内診台での器具を使った診察はせず、必要な場合は経腹超音波で検査をしています。性交経験の有無を問診の紙に書くのは抵抗があると思うので、診察室に入られてからさりげなく伺うようにしています」と、女性の不安に配慮した細やかな対応を心がけておられます。

そのうえで、「原因となる病気がない、機能性月経困難症と言われる症状の場合は、その方の年齢、未婚か既婚か、今すぐ赤ちゃんを望んでおられるかどうか(挙児希望の有無)、他に病気が無いかをお調べして、その方に合う生理痛の治療法の選択肢を全て説明しています」とおっしゃいます。
「市販の痛み止め、病院で処方する鎮痛薬、漢方薬、そして挙児希望の方以外には、『意外に思われるかもしれませんが……』と前置きして、必ず低用量ピルのことも説明します」と宮﨑先生。こうした説明は1人の患者さんに30分近くかけることもあるほど丁寧に行っておられます。その際、宮﨑先生はまず情報のみをしっかりと提供し、資料を家に持ち帰ってもらったうえで、最初の治療の選択は患者さん本人に任せるとおっしゃいます。
「たとえ最初にピルを選択されなくても強要はせず、『月経困難症の知識として知っておいてね。困っているお友達にも教えてあげてね。そして必要になったらいつでも相談してね』と伝えるようにしています」(宮﨑先生)。

一方、その生理痛を引き起こしている病気のある方には、その病気に応じた説明をされるそうですが、特に挙児希望のない子宮内膜症の方には、低用量ピルを用いた治療について時間をかけて説明されるそうです。「『低用量ピルは、今のあなたにとって、安全性、効果、コスト、全ての面でベストな治療法だと思う』と伝えています。幸い、子宮内膜症の月経困難治療薬として低用量ピルの一種が保険適用になったことから保険診療からそのままスムーズに処方に移りやすく、患者さんの意識のうえで低用量ピルへのハードルがとても低くなっています」(宮﨑先生)。

ただ、いずれの場合も、患者さん個人に合わせた必要な情報は提供して、あとは本人の選択に任せるというのが、治療方針を決めるときの宮﨑先生の診療の基本。
「どんな治療法であれ、『あなたにはこれがいいの』と、こちらから強制しては患者さんも抵抗を感じてしまうのではないでしょうか? 一度自宅に帰ってじっくり考えてから選んでいただいた方が、ご自身で選んで頂いたということで途中でのドロップアウト(服用途中での離脱)も少ないというのが実感です」(宮﨑先生)。
こうした患者さんを中心に考えた宮﨑先生の説明は、患者さんとの信頼関係を築くうえでも重要な要素になっています。

次は【わたしのとり組み】

宮﨑クリニック

住所
〒416-0909 静岡県富士市松岡300-15
電話番号
0545-66-3731
診察時間
月・火・水・金 午前9:00〜12:00 午後15:00〜18:00
土 午前9:00〜12:00
※木曜・日曜・祝日は休診。
※午後の診察と土曜の診察は完全予約制(メール予約は再診の方のみ)。ただし、18歳以下の方は火・水の午後と土曜は予約なしでも診察します。
※マンモグラフィ検診は完全予約制です。
ホームページ
http://www.miyazaki-cl.com/

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