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症状があっても、「なくても」、女性には定期的に受診してほしい

待合室には、低用量ピルを服用している人が、飲んでいない人に向けて、使用してみての感想などを書き込んだメッセージを集めたファイルが置かれています。同年代の女性のリアルな感想を知ることができます。

「生理痛(月経痛)の有無にかかわらず、女性の方には、必ずかかりつけ医をもって定期的に婦人科を受診してほしいと思っています」と話される村上先生。そのため、村上先生が初診の方にほとんど行っている説明があるそうです。
「例えば今、日本では若年層に子宮頚部がんが急増しています。この子宮頚部がんの原因として注目されているのが、性交渉によって感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)です。性交渉による感染が原因でがんになる可能性があるということは、女性にとって非常に怖いことでありながら、現在そうした情報はほとんど知られていません。当院では患者さんに、そうした情報を分かりやすくお伝えします。そして、子宮頚部がんを予防、早期発見する上で大切なのが検診ですので、定期的な検診を勧めるようにしています。それと同時に、低用量ピル子宮内膜症卵巣がん子宮体部がんといった女性特有の病気の予防になるデータがあることなども伝えています」(村上先生)。

実際に、低用量ピルの服用を選択される患者さんが多い同院。そのため、服薬指導や副作用の説明などは、村上先生の指導の下、ナースをはじめとした院内のスタッフがきめ細かく対応するシステムになっているそうです。


2007年に新しく建てられたばかりの同院は、スタイリッシュな外観もさることながら、院内も吹き抜けやらせん階段などで開放感にあふれたつくりになっています。「病院らしくない」をコンセプトに設計されたそうです。

「わたしがこれまでの日常診療の中で培った経験をもとに作ったオリジナルのマニュアルで、スタッフを教育しています。まず外来で、わたしの患者さんへの説明や対応を隣で見聞きし、経験を積んでもらいます。その上で、今度はそのマニュアルを使いながらスタッフ自らの言葉で患者さんへメッセージを伝えていくよう、いつも言っています。たとえば低用量ピルでも第一世代のものは生理が重い人に、とか、にきびなどを気にしている人には第三世代を、などのように。今では、ナース、臨床検査技師ら院内の全ての医療スタッフが、わたしの言葉を自分の言葉として患者さんへ説明できるところまで成長し、今の体制ができました。
最近ではすっかり『できちゃった婚』が認知されてしまっているような感がありますが、こんな風潮は日本だけです。女性が自分の意思で持てる唯一の避妊法があるということを知ってほしいと思います」(村上先生)。

また、村上先生は、同院のホームページに開設されている“女性のための医療相談掲示板”でも、女性の様々な悩みに応えています。
「ホームページを開設したころからメールで様々な相談が寄せられており、それに答えていました。似たような質問をたびたび受けることも多く、これは同じような悩みを抱える女性も多いのではないかと思い、それならいっそ皆さんに情報を公開していこうと思いました」(村上先生)。
掲示板は、書き込まれた質問に対し、村上先生ご自身が忙しい時間の合間を縫って丁寧に回答されています。
「患者さんのなかには、男性医師よりも女医さんに診てもらいたいと思う方も少なくないと思います。ですが、掲示板を通じて私がどんな対応をしているのかを知り、信用、信頼して来院してくれる患者さんがいるのはとてもうれしいことです」と村上先生。

次は【Q&A、先生からのメッセージ】

池袋クリニックのここが自慢

池袋クリニックでは、「順番鳥(じゅんばんどり)」というシステムを導入しています。こちらは「今日、受診したい」と思ったら直接来院して診察券を入れなくても、パソコンや携帯電話を使って外から「受付」ができるというもの。電話番号と生年月日を登録すれば、再診の方も初診の方でも利用できます。「受付から2時間以内に来院してもらうという原則はありますが、2時間の間に来院し、そのとき受付番号が最初であれば最初に診るというシステムです」(村上先生)。
今、何番目の人まで受付が進んでいるかをリアルタイムでチェックすることができるうえ、診察予定時間などもわかるスグレモノなので、待ち時間を駅前などで自由に過ごすこともできます。

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