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<※この記事の情報は2009年公開時点のものです。>
九州最大の面積を誇り、海、山、川と、豊かな自然に恵まれた大分県の最南端に位置する佐伯市は、約8万人の人々が暮らす地方都市。エアギターで一躍時の人となったコメディアンのダイノジさんや、数多くのプロ野球選手を輩出しているここは、明治の文豪・国木田独歩ゆかりの地でもあります。そんな佐伯市内に、1999年に開院された「やぐちレディースクリニック」があります。今回はやぐちレディースクリニックの院長、谷口久枝先生とスタッフの皆さんにお話をうかがいました。
谷口 久枝
(やぐち ひさえ)先生
熊本大学医学部卒業。宮崎医科大学(現・宮崎大学医学部)大学院修了。同大学の産科婦人科学講座に入局後、大分市医師会立アルメイダ病院、宮崎県立延岡病院、安武病院勤務を経て、1999年、佐伯市内にやぐちレディースクリニックを開業。診療だけではなく、婦人会の健康講座や地域の学生を対象にした性教育講演なども積極的に行っておられます。
来院される患者さんの年齢は、10歳未満から90代までと非常に幅広いそうです。
「高齢化が進む地域ということもあり、若い女性以外にも高齢の患者さんも多く来院されます。ですから婦人科疾患に限らず、インフルエンザや高血圧など『とりあえず、何でもお願いします』という感じで、取り扱う病気も多岐にわたりますね」と谷口先生がおっしゃるように、同クリニックは佐伯近隣の女性たちがまず頼りにする女性外来。
女性医師とスタッフが丁寧に対応してくれる安心感が口コミで広がり、佐伯市内だけでなく、隣接の臼杵市や津久見市、ふだんは市外へ出ている方の里帰り診察も多いそうです。時には、朝、クリニックが開くのを玄関で待っている患者さんもいるほど、地域の女性たちから支持されています。
生理痛(月経痛)だけを訴えて来院する方はさほど多くはないそうですが、谷口先生は生理痛だけでなく、生理(月経)前からのイライラやおなかのハリといった月経前症候群(PMS)、便秘、だるさなど生理に伴う様々な訴えに注目されるそうです。「ですから『痛みがありますか?』と問いかけるよりもむしろ『生理中は、どう過ごされていますか?』と大きな質問を投げかけ、生理全般の問題を患者さんから聞き取れるよう心がけています。痛みがあるようであれば『痛み止め飲む?』『仕事休む?とか、保健室行く?』『痛み止めを日に何回飲む?』などと聞くことで症状の強さを確認します」(谷口先生)。
こうした問診で症状を見つけ出し、内診や性交経験がない方には腹部超音波検査などを実施して症状を引き起こす病気がないか診ていくそうです。
谷口先生は、診察で患者さんの気持ちに寄り添うことを大切にしたいとおっしゃいます。
「どういう不安で来院されたのか、何を求めておられるのか。一人ひとりの患者さんの思いをつかんで、それに対し医学的なアドバイスができればいいと思っています」と谷口先生。
それには、患者さん一人ひとりについて、多くの情報を知ることが大切になります。そのため、同院では谷口先生の診察の前の看護師さんによる問診に時間をかけています。そこから得られた情報を聞いたうえで診察しておられるそうです。看護師さんだけではなく、事務スタッフの方々も含めてクリニック全体で取り組んでおられます。
「患者さんは地元の方がほとんどですし、佐伯は地方の小さな市です。地元の人と人とのつながりが深く、また、それらを大切にする地方ならではの風土も残っています。そうしたつながりを通じた情報交換も大切にして、診察に当たっています」(谷口先生)
クリニックでは緊張して言えなかったり、聞けなかったりしたことを、院外薬局で薬剤師の先生にポロっともらされる患者さんもいらっしゃるそうで、そういう情報をフィードバックしてもらい、その後のフォローにつなげるなど、連携は院内だけでなく薬局さんにまで及んでいるそうです。
- 住所
- 〒876−0836 大分県佐伯市西谷町1番27号
JR佐伯駅から車で約10分 - 診察時間
- 月〜水・金・土 午前9:00〜12:00 午後14:00〜17:10
※午前・午後とも完全に予約制になりました。電話での予約も受け付けています。
※木・日・祝日は休診。 - 電話番号
- 0972-20-3322
- FAX
- 0972-20-3323