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<※この記事の情報は2009年公開時点のものです。>
広島市中区――。広島市の中心街であり、広島名物のお好み焼屋が多数軒を連ねる人気スポット“お好み村”から歩いてすぐ、というこの地にユノ川クリニックが開院されたのは、今をさかのぼること28年前。経験豊富な女性医師に診てもらえることから、口コミで訪れる患者さんが多く、中には親子2代にわたって通う患者さんもいらっしゃるそうです。今回はそんなユノ川クリニックの院長、温泉川梅代先生に生理痛(月経痛)の治療について、お話をうかがいました。
温泉川 梅代先生
(ゆのかわ うめよ)先生
広島大学医学部卒業。広島大学産婦人科、福島病院、厚生連吉田病院、中電病院での勤務を経て、1981年広島市内にユノ川クリニックを開院。婦人科一般だけでなく、妊婦健診、がん検診など、多くの女性の相談に乗っています。現在は、広島県医師会、広島県産婦人科医会における地域での医療活動も盛んに行っておられます。
またシャンソン歌手としてCDまで出しておられるという一面も。
「来院される患者さんの中には生理痛を訴える方も多いですよ」とおっしゃる温泉川先生。生理痛を訴える患者さんの年代層は、20〜30代のOLや学生さんが中心ですが、なかには中学生も。時には生理痛と過呼吸のために救急車で搬送されて来られる方もいらっしゃるとか。
そんな患者さんを診る際に、温泉川先生が最も注意しておられるのが生理痛の背後に病気が隠れていないかどうかを見極めること。
「子宮内膜症や子宮筋腫、炎症といった病気があるかないか、これが一番ですね。生理痛は、これらの病気が原因で起こる場合もあれば、子宮頚管が狭い、子宮の収縮、血液循環が悪いなどが原因で起こる場合、ストレスや不安など精神的な原因によって起こる場合など様々です。ですから、まず問診と検査で基礎疾患の有無を確かめていきます。生理痛の背後に病気があれば、治療は変わってきますからね」と温泉川先生。
「生理痛を訴えて来院する患者さんは、鎮痛剤を飲んでも我慢ができない、寝込んでしまうほど痛みが激しいという方が多く、そういう患者さんには『生理の量はどうか』、『血液の塊は出ていないか』を確認します。通常の生理の時の血液は固まらないもので、レバーのような血液の塊が出るということは、生理の量を判断するひとつの目安になります。また生理の量が多すぎる場合には貧血も出ますので、それも確かめます」とのこと。
正確な診断のためには内診も必要なのだそうですが、その際にも事前に問診票で性交経験の有無を確かめ、性交経験のない人には腹部超音波検査に切り替えるなど、患者さんに合わせた対応を心掛けておられるそうです。
「子宮内膜症が疑われる場合には血液検査でCA-125という腫瘍マーカーの値が上がっていないかどうかを見ています。これは元々卵巣がんの目印となるものなのですが、子宮内膜症でも上昇する事が知られています。また子宮筋腫が疑われるときには、関連の病院を紹介し、そこでMRIを撮ってもらって確認するケースもあります」と、とにかく丁寧に検査を実施し、正確な診断に努めておられます。
「正しい診断に基づき、確実に治療する」という温泉川先生の診療姿勢は、患者さんからの厚い信頼につながっています。
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