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治療の効果を最大限にいかすために、服薬指導は時に厳しく

<※この記事の情報は2009年公開時点のものです。>

待合室の中央にある彫刻は、先生が北海道で出会ったというクリニックのシンボル。ほかにも、院内のあちこちに彫刻や絵画、先生がお好きなかわいい動物たちの写真などが飾られています。

「今、痛い」ということであればひどくなる前にとりあえず鎮痛剤、特にひどい時は坐薬で対処されるそうです。
「生理痛(月経痛)の背後に基礎疾患がない機能性月経困難症の場合には、子宮収縮を抑える芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)などの漢方薬を処方する事もあります。漢方薬だけで症状の改善が見られないときは低用量ピルを提示します。今はホルモンの含有量が低用量になったことで吐き気も少なくなっていること、子宮内膜症にも効くということを説明すると、患者さんも抵抗なく服用を選択されます」(温泉川先生)。

低用量ピルの服用を始めるとき、温泉川先生は必ず3クールの期限付きにされているそうです。
「3クール飲むと、痛みが減るのと同時に生理(月経)の量も減るので経血が子宮頚管を通る際の痛みも緩和され、低用量ピルの効果を感じる人が多いようですね。最初の3クールが終了したら、そこで一旦服用を止めてもらいます。そこで生理痛が再び出るというのであれば、それは薬が効いていたということになり、患者さんが自身で低用量ピルの効果を実感し、進んで飲み続けるという選択になっていくことが多いですね」(温泉川先生)。
長期に飲む人には必ず、血圧、体重、肝機能、さらに血栓ができていないかどうかを測り、経過を確認しておられるそうです。

待合室では、子宮がんや避妊・ピル、子宮内膜症などをテーマにした1本10分〜20分程度のビデオを見ることもできます。こちらは待合室でみるだけではなく、希望者には貸し出しもされているそうです。

「低用量ピルはホルモン剤ですから、飲んだり飲まなかったりしてはいけません。薬の効果と安全性を確実なものにするためには、毎日きちんと決まった時間に飲んでいくことが大切ですよ」と指導をされているという温泉川先生。
「こちらの言うこと聞かずにきちんと服用しない患者さんには、注意もしますよ。副作用を減らすためにホルモン含有量を低く抑えてある低用量ピルは、きちんと飲み続けなければ効果が現れませんし、不正出血も起こします。そうなって困るのは患者さん自身です。自分の体のことなのですから、自覚してきちんと毎日飲んでもらわないといけませんね。きちんと飲んでいれば不正出血もこともなく、月経の量も減って痛みも取れてくるはずです」(温泉川先生)。

厳しく聞こえるかもしれませんが、“きちんと治療するためには必要なことであり、治療上の約束を守ることが患者さん自身のためになる”そんな信念で指導をされておられます。

次は【Q&A、先生からのメッセージ】

ユノ川クリニックのここが自慢!

キチンと診察。そのひとつがこの子宮がん検診に用いるコルポスコピー。同クリニックの自慢の設備の1つで、検査中は、診ている部分(子宮頚部)がモニター(写真:上)に映し出され、医師と患者さんが一緒に確認しながら検査できるようになっているほか、モニターで映し出した画像を、専用の機材で写真にすることもできます(写真:下)。これで撮影した写真で、病変部を具体的に指し示しながら患者さんへの説明を行っておられるそうで、このコルポスコピーの結果と細胞診の結果から、正確な子宮がんの診断が下せるとのことです。

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