HOME > ドクターインタビュー > 明子ウェルネス・クリニック 小栗明子先生
愛知県春日井市は、「平安の三蹟」の一人である小野道風の出身地です。小野道風は10世紀(平安時代前期)に活動した能書家であり、それまでの主流だった中国的な書風から、現在まで続く和様書道の基礎を築いた人物といわれています。その後も昭和の三筆の一人である、日比野五鳳を排出した、書道家には縁のある街です。
春日井市にはもう一つ、日本一の実生のサボテンの生産量を誇っている(日本のシェア8割)という特徴もあります。今回訪れたJR勝川駅では、市のマスコットキャラクターである「道風(とうふう)くん」と、3体のサボテンイメージキャラクターが出迎えてくれました。
今回はそんなJR勝川駅から徒歩約15分、閑静な住宅街の中にある明子ウェルネス・クリニックに伺い、院長である小栗明子先生にお話をうかがいました。
小栗明子
(おぐり あきこ)先生
名古屋大学医学部卒業後、小牧市民病院、津島市民病院、JR東海総合病院、春日井市民病院などでの産婦人科勤務を経て、平成10年、先代より引き継いで小栗産婦人科医院院長へ就任。
平成19年2月、明子ウェルネス・クリニックへ屋号変更。
明子ウェルネス・クリニックには1日平均50名くらいの患者さんが診察を受けにいらっしゃいます。患者さんの多くは30代〜40代の方ですが、若い方は2、3歳から、高齢の方は80歳くらいまでの方まで幅広い年齢層の患者さんがお見えになります。
「月経(生理)にまつわるトラブルは、痛みもそうなのですが、出血量も問題です。ほとんどの患者さんは自分の出血量が多いことに気付いていませんが、話を聞いていると月経中に塊りが出る、あるいは日数が長い人も見受けられます。他人と比べることがないため自分がどういう状態なのかが判断できないのです。せっかく体の中で作られた栄養のある血液が、必要以上に体外に出てしまうのは、非常にもったいないことです。人は痛みがあれば病院に行きますが、出血量が多いか少ないかは学校でも教えてくれないことです。病気かどうかの基準が分からないのです」(小栗先生)。小栗先生は、日本の性教育にも問題があるとおっしゃいます。
「例えば人権教育がすすんでいる国では、もっと早くから男女ともにしっかりとした性教育がなされています。ところが日本では、性教育は中学高校の保健体育の授業でも、あまり取り上げられていないのが現実です」根底には、女性の性に商品価値があるとされていること、女性が性について語ることをタブー視してきた背景があるとおっしゃいます。「今の日本では、自分の身体にとって本当に大切なことを知らないまま大人になってしまいます。その結果辛い思いをしていても、こんなものかな、とか、自分の親もそうだったから、とか、自分の病態に気付くチャンスを失ってしまいます。この状況はがん検診の受診率にも表れており、日本人の子宮がん検診の受診率は2割程度しかありません。一方、性教育、人権教育が進んでいる国では、女性も子供のころから自分の身体に興味を持ち、自分の身体は自分で守るという意識が根付いています。」(小栗先生)
小栗先生は、月経痛(生理痛)は痛みを我慢するものではなく、出血量のコントロールも重要だとおっしゃいます。どのような治療を勧めるかはケースバイケースですが、痛みや出血量の緩和、貧血の改善、月経サイクルの調整などには、低用量ピルを勧めることもあるそうです。しかし患者さん側では、その受け取り方はさまざまのようです。「多くの場合は説明すればご理解頂けるのですが、中にはホルモン剤への抵抗があったり、ピルをなかなか理解して頂けない場合もあります。理由としては、たまたま知人がピルを飲んで吐き気があったとか、体調不良になったことがある、というものですが、女性は良くも悪くも口コミに影響されがちです。現在のピルは以前に比べたら安全性も有効性も高いものです。色々な意味で、正しい知識を身に着けてほしいと思います」(小栗先生)
- 住所
- 〒486-0916 愛知県春日井市八光町3丁目35
- 診療科目
- 産婦人科
- 診療受付時間
- 月・金 8:50〜11:00、15:50〜17:30
火・水・土 8:50〜11:00
休診 /火・水・土曜午後、木曜、日祝日 - 電話
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