HOME > ドクターインタビュー > いけした女性クリニック銀座 池下育子先生

ドクターへの質問

Q. どの程度の生理痛であれば治療を受けた方が良いのでしょうか?

A.個人によって痛みの感じ方も違いますし、痛み止めを服用する、しないといった価値観も違いますので、一概に「どの程度」と決めるのは、とても難しいことです。ですが私は、基本的には、生理(月経)があれば痛みがあってもなくても、婦人科を受診するよう勧めています。
女性ホルモンがきちんと機能していれば、生理痛(月経痛)があるのは自然なことです。一方、排卵がなかったり、卵巣機能が低下していれば生理痛は起こりません。つまり、生理痛がないから健康というわけではないのです。それを見極めるためにも、痛みがあってもなくても、まずは受診してもらえればと思います。それをきっかけに、生理痛を引き起こしている病気が見つかったときは、病気に対する治療を行っていけばいいし、見つからなければ個人のQOLを高めるような対処方法を一緒に相談していけばよいと思います。


Q. 生理痛で病院にかかるときに準備しておいた方が良いことがあれば教えてください。

A.特に大きな準備は必要ありませんが、受診の2〜3回前まで(前回、前前回、さらにその前)の生理がいつだったかのメモをお持ちいただくといいですね。基礎体温表をつけている方は、それも併せてお持ちください。どんな症状があるかを、ある程度書き出してもってきてもらうと診察がスムーズです。現在かかっている診療科や服用中の薬があれば、それらの名前がわかるものをお持ちください。
当日は内診を行う可能性がありますので、生理の2日目の来院はなるべく避けましょう。また、服装はパンツルックよりも、脱ぎ着のしやすい、ゆったりしたギャザースカートなどがオススメです。


Q. 薬以外で生理痛を和らげる方法があれば教えてください。

A.骨盤回しやストレッチといったエクササイズを行う、温める、アロマテラピーなど、いくつかの方法が考えられます。ヨガやピラティスなどをやって生理痛が軽くなったという人もいます。
温めるには、カイロや火を使わないタイプのもぐさ灸なども効果的です。これらを使い、体を温めて血流をよくすることで生理痛の症状が改善することもあります。ただし、ジャグジーやサウナの利用などは、子宮筋腫子宮内膜症の患者さんの場合、経血の増加につながることもありますので、事前にかかりつけの先生に相談しましょう。
アロマテラピーは、もちろん個人の好みもありますが、リフレッシュを促す柑橘系の香り、リラックスを促すカモミールやラベンダーなどがオススメです。
これらはいずれも生理痛を引き起こす器質的な病気(例えば子宮内膜症や子宮筋腫など)がないことが分かったうえで行うことが大切です。

池下先生からのメッセージ

生理のトラブルや出血、おりものの変化、痛みなど、初潮が始まってから閉経まで、また閉経した後も、一生涯にわたって女性には様々なトラブルがつきまといます。婦人科はそうしたトラブルを抱えたときに、真っ先に受診して欲しい科です。風邪をひいたら内科にかかるのと同じ感覚で、悩みが生じたときは気軽に婦人科を受診してほしいと思います。
そのために、「私の先生」としてずっと通い続けられるかかりつけ医を持ってほしいですね。
婦人科は、性器だけを診る科ではありません。生理は、フィジカルなもの、メンタルなものに大きく作用しますから、何かしら不調が生じたときには、ぜひかかりつけ医に相談してください。

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