HOME > 女性のライフサイクルと生理痛 > 働く女性の生理痛
監修:家坂清子先生
妊娠・出産の準備ができる成熟期。10代のころと比べて、ホルモンバランスも安定してくる時期です。しかし、月経血の量が増えるにつれて、プロスタグランジンというホルモンが通常より多く分泌され、必要以上に子宮が収縮し、痛みが強く出ることがあります。
この時期は社会への進出の時期とも重なるため、ストレスから、強く痛みを感じる方も少なくありません。
ストレスは、男女とも健康面にさまざまな影響が出ることが知られていますが、こと女性に関しては、男性に比べて体内のホルモン環境が複雑なため、ストレスによる影響を受けやすいといわれています。とくに20〜30代の女性の就業率は年々高まっており、職場の人間関係や新たな環境のもとで仕事をはじめるときなど、強いストレスを感じることも多いようです。
また、最近は子どもを産まず、仕事を続けるという選択をする女性も増えています。そんな方に増えているのが子宮内膜症などの婦人科系の病気。実は、子宮内膜症は25歳までに発症していることが多いといわれています。しかし、婦人科を受診する機会が少ないため、痛みが出ていてもその原因がわからず、病気の発見が遅れてしまうこともあるのです。
責任感が強く、重要なポストを任されているからと、ひどい生理痛に悩んでいても無理をしたり、我慢してしまう女性も少なくありませんが、受診せずに放置すると、子宮内膜症などの病気の発見が遅れたり、それらの病気が不妊の原因になることもあります。また、体の臓器に病気がなくても、痛みが強く、日常生活に支障がある場合には、機能性月経困難症という病気です。適切に治療をすれば痛みは軽減され、その原因が判明するだけでも、安心感が得られるでしょう。
とくに出産経験のない女性にとって、婦人科の敷居は高く感じられることでしょう。しかし、好きな仕事を長く続けるためにも、自分の体に起こる変化には敏感でありたいもの。体調の変化に関わらず、いつでも相談できるかかりつけの専門医を持つことが大切です。