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おおのレディースクリニック(岐阜県岐阜市) 副院長 大野元先生

岐阜県。日本の中心に位置し、古くから交通の要所であったため「美濃を制する者は天下を制す」とまで言われたこの地。斉藤道三や織田信長など戦国時代の武将がこの地の覇権をめぐったのは有名ですね。天下を分けた関が原の戦いも、ここ岐阜県です。
 また岐阜県のシンボルといえば、日本三大清流のひとつ長良川。2001年に「日本の水浴場88選」に全国で唯一、河川の水浴場として選定されました。この川岸に逗留した俳人の松尾芭蕉をして「此のあたり 目に見ゆるもの 皆涼し」と詠ませたこの川で行われる全国的にも有名な行事と言えば鵜飼(うかい)ですね。同じく芭蕉の代表的な句「おもしろうて やがて悲しき 鵜舟かな」は、ここの鵜飼の様を詠んだものだそうです。そんな長良川の川沿いにある岐阜市光町に10年前に開院されたのが、今回お伺いしました「おおのレディースクリニック」です。前身である大野産婦人科(昭和47年開院)の歴史を引き継ぎ、地元の女性の健康を支え続ける副院長の大野元先生にお話を伺いました。

一人ひとりの患者さんに向き合いながら診察しています


大野 元
(おおの つかさ)先生
岐阜大学医学部卒業。岐阜大学医学部大学院に進まれた後、ブリティッシュ大学、コロンビア大学研究員、岐阜大学助手、IVF大阪クリニックを経て、平成11年8月におおのレディースクリニックを開業。周産期と不妊がご専門ですが、なかでも体外受精はエキスパートとして高い治療成績を上げられ、マスメディアにも注目されています。

岐阜市内を中心に、日に130〜140人もの大勢の患者さんが訪れるというおおのレディースクリニック。「当院の患者さんは比較的若い方が多いですね。お産を扱っていることもあり20代の方が多いですし、不妊治療では30歳代の方が中心です」と大野先生。

同院は、体外受精を中心とした不妊治療に定評があり、また祝日以外は土日も関係なく診療をしておられることもあって、大野先生の診療を求めて岐阜市内だけでなく、高山や大垣など遠方から来院される患者さんも多いそうです。

「卵巣に休みはありませんからね。当院を訪れられる患者さんのうち、不妊症を訴えて来院する方が全体の半分くらいです。不妊症の方で月経困難症を持っている方は結構多いんですよ」と大野先生。「不妊症であっても、生理痛(月経痛)があるということはキチンとした生理(月経)がある、つまり排卵が起きているわけですから、そういう患者さんに対しては、妊娠を目指して不妊治療を優先していきます。妊娠すれば、生理はなくなるわけですから」(大野先生)。

「もちろん、子宮内膜症で生理痛を訴える患者さんや機能性月経困難症の患者さんもいらっしゃいます」と大野先生。不妊症ではなく生理痛を訴える患者さんへの治療は、痛み止めと低用量ピルを大きな柱にしているそうです。
「まずは痛み止めを服用してもらいます。それで症状が治まるようなら、そのまま痛みがある時だけの服用を続けてもらいます。ですが、痛み止めで効果が見られないときには低用量ピルの使用を勧めています。市販の痛み止めなどを服用しても効果がなかった場合や妊娠の希望がない場合には最初から低用量ピルを勧めることもありますね。痛み止めと低用量ピル、この2つの選択肢を提示し、患者さんご自身で選んでもらいます」(大野先生)。

低用量ピルについては、避妊以外にも生理の時期をずらしたり、周期を安定させたり、生理痛を緩和するなどの副効用があることを、パンフレットを用いながら分かりやすく説明していくそうです。
「生理が来たら飲み始めてください、毎日だいたい一定の時間に飲んでください、1シート終わったら次のシートを取りに来てください、1シート飲み終わった後、お薬を休んでいる時に生理のような、でも生理よりも軽い出血があります、という基本的なことをお伝えます。副作用として『太る』というようなことを気にされる方もいるようですが、実際にはそんなことはありませんよ、ということも合わせて伝えています。
他にも生理をコントロールするという意味では、月経前緊張症(PMS)の方に服用を勧める場合もありますね」(大野先生)

日々の診療の中で大野先生が心がけているのは、「患者さんの目を見て話をすること」だそうです。
「短い時間でも、相手の顔を見て反応を確かめながらやりとりすれば、患者さんに安心していだけるのではないでしょうか」と大野先生。そうしたコミュニケーションの結果なのか、患者さんの顔と名前は忘れないとおっしゃいます。「特に覚えようとしているわけではありませんが、何年前に来院された患者さんでもほとんどの方は顔とお名前が一致しますよ」(大野先生)。
大野先生の一人ひとりの患者さんに真摯に向き合う姿勢が伝わってきます。

次は【わたしのとり組み】

おおのレディースクリニック

住所
〒502-0901 岐阜県岐阜市光町1−44
電話番号
058-233-0201
診察時間
月〜日 早朝8:00〜8:30(早朝診察は不妊外来のみ)
午前9:30〜12:30
午後16:00〜19:00(土・日の午後は休診)
※祝日は休診
ホームページ
http://www.ohno-lc.com/

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